信念 硫黄島からの手紙

TVで見ました。遅まきながら。
ふだん夜の映画番組は見ないのですが夏休み中なので。
今年は火垂るの墓も見ました。

火器が飛び交う戦場の描写がけっこうすごい。いちばんショックなのは手榴弾による自決シーンでしたが。これはこの年になって見るから平気なのであって、もっと若い頃だったら正視できなかっただろうな。
戦争映画や戦争写真をまともに見られるようになったのは割と最近です。小学生の頃は、8月6日が必ず登校日で、戦争映画の鑑賞やら戦争展示を見て感想文書くことやら、ということが毎年ありました。これが苦痛だった。あんまり怖いので展示を正視できず、感想も適当に書いたら担任の先生に咎められた経験があります。でも本当に夢に出てくるかと思った。ふつうに見ている同級生が信じられなかったものです。
思えばあの頃は知識も足りなかった。歴史や戦争や原爆や、そういったものに対する。なんとなくイメージが怖かった、そういう面もあると思う。8月だけじゃなくて、もっと日常的にいろいろなことに絡めて考えていくべき問題なのだと思う。

さて硫黄島
今の私に言えることは、「人を殺してはいけない」ということだけ。
この映画で描かれているのは、個人的には恨みも何もない目の前の相手を「国のため 天皇陛下のため」という理由で殺して自分も死ぬしかないという状況だ。

・非国民というレッテルを貼られて排除されることに耐えられるか
・「自分か相手かどっちかが死なねばならない」状況になったらどちらを選ぶか
・大砲はぶっぱなせても目前の敵に(自分と同じ人間とわかった相手に)とどめをさせるのか
・理不尽とわかっていてもなお命を懸けられる信念ってなんなのか
・自分にとって国ってなんなのか

そんなことをつらつらと考えながら見ました。答えは出なくても、そういう思いを抱くことにきっと意義がある。