『アバター』

1月に観にいくつもりがずれこんで、やっと観てきました。

公開からだいぶたつというのにマイカルシネマは満員だった。おかげで前から3列目の左翼しか席がなかったのです。この映画、ナヴィ語(現地語)の字幕は右端に出るので(ロードオブザリングのエルフ語みたいに)、この席からだとみづらくて、それがちょっとたいへんでした。

3Dはおもしろかった。というかむしろ3Dでこの映像を観ることがこの映画の価値だと思う。メガネの上にメガネって大丈夫か、と一瞬思ったけど大丈夫だった。時々ずれるけど。ストーリーは目新しくはないです。たぶんこの映画つまんないと思った人は話がつまんないと思ったのでは…。

翼竜に乗って飛ぶシーンが好きです。乗りたい! 夜に光る木とかくらげみたいな木の精とか、3Dだときれいで良い。 あと、パイロットの女の子がクールで好きでした。

シガニー・ウィーバー扮する植物学者グレース、あんなナイーブでいいの?軍の大佐を説得するのに、「学問的に貴重だから」というロジックじゃ通用しないの当然じゃないか、と言いたい。そんであっけなく死んでしまうので残念です。結局何事も武力でしか解決しないんかい。
そもそも地球の人のために資源を分捕りにきていることへの反省とか批判とかこれからの展望とか何も描かれていない。今回パンドラでは侵略者を撃退したけど、今後や他の星で同じことが起こらないとはいえない。西暦2154年になっても人類はまったく進歩してないという皮肉な見方もできないではない。
主人公ジェイクもなりゆきで動いているところが大きい。ポジション的には文化人類学者のような役割だけれど、自覚的ではない。まあヒーローはそれでいいのかな… 現実世界での義足よりアバターとしての自由を選んだと取れなくも無い。足の不自由なジェイクがアバターとしては五体満足というところから、医療への可能性、サイボーグ論への接続も想起されるところです。